家その12:さすがに業者は見る目が違う。購入前の住宅インスペクション体験談

インスペクションの様子

この記事では、アメリカで中古住宅を購入した我が家が、オファー受諾後に行った住宅の検査(Inspection)を業者に依頼して、家を検査してもらった際の体験談をご紹介します。

予想外にも8月上旬に家が買えてしまい(オファーが受理されてしまい)、「オファー受理日から14日以内なら、家の検査をして、不具合があれば購入キャンセルや修理依頼を出せるからね」と伝えられました。検査のための業者を決めたりしていなかったので、不動産エージェントにされた業者に検査(インスペクション)を頼みました。

期限ギリギリの13日目にようやく検査をしてもらえることになり、朝10時から検査をしてもらいました。多少ダメな業者でも、大きな不具合は見つけてくれるはず…くらいの期待をしていたら、期待は良い意味で裏切られました。思いのほか優秀な業者でした。

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中古住宅のインスペクションの流れ

ネットや書籍で調べたところ、検査は2-3時間程度かかるようです。私たち夫婦は朝から仕事もあったので、10時に来てもらって、一人で検査を始めてもらい、お昼休みに会社を抜けて12時頃から終了まで立ち会うことにしました。

12時に到着すると、業者のブライアンが一生懸命あちこちチェックしていました。感じの良い40歳くらいの男性でした。「あと少ししたら作業が終わるので、そしたら一通り検査結果を一緒に見てみましょう」と言われました。びっくりしたことに、作業台の上にはパソコンが置いてあり、現場の写真を撮影してパソコンに取り込んでレポートを作っています。また、気づくと備え付けの食器乾燥機が動いています。「ちゃんと家電が動くか動作確認をしているんだよ」とのこと。この人、立会いしてなくてもしっかり調べてくれている!

ブライアンがひと通り検査を終えたので、現物を見ながら検査結果をチェックしました。例えば、「屋根の素材が少し剥がれてしまっているから、ここは修理を依頼した方が良い」とか、「この木の枝が壁を汚してる。定期的に木の枝を切って、年に1回は壁をパワーウォッシュという機械でクリーニングした方が良いよ。ただ、これは通常のメンテナンスとして買った人がやることかもね」という具合です。

全体的に、物件は良いコンディションで、シロアリもいないので、多少の不具合を直せば問題内容でした。彼が見つけてくれたのは、次のような不具合でした。

・二階の客室のお風呂の換気扇のダクトが排気口につながっていない
・お風呂の排気口が壊れているので、新しいパイプと交換すべき
・給湯タンクのパイプが壁に密着している。温度差で壁が痛むので、1インチほど離した方が良い
・ガレージに穴が空いているので直すべき
・キッチンのランプが切れている。(自分で直せるけどね)
・エアコンの室外機のパイプの断熱材が剥がれているので直すべき

ほとんどが、素人目では到底見つけることのできない、大事な発見ばかりでした。

なお、窓のガタとか、小さいキズはほとんど触れていませんでした。そういうものは中古だから当然でもあるし、アメリカの住宅クオリティからすると、そもそも新築の時点でしっかりしていたか怪しいですしね。

不具合の説明だけでなくて、「この部分はこういう経年劣化が起きやすいから、適度な頻度でこういうメンテナンスをしてね」というような、家のメンテナンスに関するアドバイスも豊富にしてくれました。その後、彼は事務所に戻り、1時間くらいで検査結果の写真入りレポートを送ってくれました。備え付けの家電の型番や、主要なメンテナンスのやり方なども書いてあって、検査結果報告書というより、家のメンテナンスマニュアルとして使えるくらい充実した内容です。実に良い検査業者に巡り会えました。

検査結果を不動産エージェントと共有し、検査業者の進める不具合の修理依頼を紙にまとめて売り手側のエージェントに提出しました。売り手側は修理依頼をもとに修理業者に見積もりを取り、その金額が許容できれば修理してくれるそうです。もっとも、今回は軽微な修理が大半だったので、全部やってくれる可能性が高い、と我々のエージェントは言っていました。

家の状態も良くて、これで懸案が一つクリアされました。いよいよ一番の山場、住宅ローン探しに本格的に取り組まなくてはいけません。