肉を焼こう!バーベキューのススメ in USA

アメリカの家庭料理ともいえる、バーベキュー料理を、日本のバーベキューとの違いも交えつつご紹介します。

アメリカ人に対するステレオタイプなイメージとして、「芝生の生えた庭付き一戸建てに住んで、土日は庭でバーベキュー♪」というものがあると思います。

実はこれ、ステレオタイプではなくて事実です。貧しくてボロい家でも、庭にボロいバーベキューセットがおいてあります。豪邸の裏には、豪華なバーベキューセットがおいてあります。

驚くことに、アパートの敷地内にも住人向けのバーベキューセットが置いてあります。これだけ身近にあると、日本人でも肉を焼かなきゃいけないのかもしれない…と思い始めます。というわけで、Let’s BBQ!

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日本とアメリカのバーベキューは違う

日本のバーベキューというと、炭火の上に鉄板を置いて、焼きそばを焼いたり、醤油ベースのタレに漬けた薄切り肉を焼いたり、トウモロコシを焼いたりすると思います。

私はあまり充実した青春時代を送っていないので、若干うろ覚えだけど、場所は河原、地元の遊び仲間、あるいは意中の異性がいるシチュエーションで開催されるのが定番でしょうか。

アメリカでバーベキューというと、タレに一晩くらい漬けた肉を、炭火で数時間じっくり燻しながら焼くいた料理のことを言います。

レストランに行くと、その肉をパンで挟んだバーベキューサンドイッチ、あるいはポテトや豆やコールスローサラダを添えて食べるバーベキュープレートが出てきます。

地方によって食べる肉、タレの種類が違うので、一口にバーベキューといってもかなりのバリエーションがあります。ハンバーガーより気持ち高めの価格設定、日本でいうとご当地ラーメンのような位置付けです。

例えばテキサスでは、固くて食べづらいBrisket(牛肩肉)をトマトベースのソースに漬けてじっくり焼いたものが有名です。たぶんカウボーイ発祥。

メンフィスでは、豚の骨付きアバラ肉を甘いソースで焼いたもの、カロライナではマスタードがいっぱい入ったソースを使ったり…とにかく種類が豊富です。

ちなみにバーベキューはめちゃくちゃ和製英語っぽいけど、英語でBarbequeと書いて、アメリカ人もbbq/BBQとも略します。

初心者はアパートか公園でバーベキューをやってみよう

アメリカに引っ越していきなりバーベキューセットを買う人は少ないでしょう。そんな人は、まずはアパートや公共施設にあるバーベキュー施設で試してみると良いでしょう。

日本人的感覚だと、「予約方法は…」「料金は…」と気になりますが、基本的に予約不要、勝手に使ってくれ、というスタンスです。

スーパーに行って炭(charcoalとかbriquette)とチャッカマンを買ってきて、火をつけて、好きな肉や野菜を焼いてみましょう。公共物で結構汚いので、気になる人はアルミホイルや金網を持参しましょう。

トングがあると便利です。料理後に焦げたタレや油をこそげ取るための道具があるとなお良いでしょう。バーベキューの必需品や便利グッズは死ぬほどあるので、ハマったら都度揃えればいいと思います。

炭火でバーベキューするアメリカ人は少ない

しばらくして、スーパーで気づきました。アメリカ人がそんなに炭を買っていないのです。

あんなにたくさんのバーベキューセットがあるのに、どうして…と不思議に思いながらある友人宅にいったところ、謎が解決しました。

bbq-grill

立派なグリルでしょ、引っ越し祝いに親に買ってもらったんだ、とのこと。

バーベキューをするの?と聞くと、いや、肉をグリルするのよ、と言われ、微妙に話がかみ合いません。やがて料理をしてくれて、合点が行きました。

そう、これはグリルなのです。火力はガス。手早く焼くのが目的なのです。

日本のガスコンロに魚焼き機があるのと同じで、アメリカには肉を焼くためのガスグリルが屋外にあるのです。ちなみにこの日作ってくれたのはバーベキューではなく、グリルした牛肉、いわゆるステーキです。

煙の出る肉料理を室内で作ると火災報知器が反応します。そのため、みんな屋外で肉を焼くようです。ガスなので火力も強いし、すぐに焼けます。逆に言うと、ガスで火力が強いので、じっくり肉を加熱するタイプのバーベキューは作れません。

ちなみにガスボンベは、プロパンガスが入っていて、スーパーやガソリンスタンドで買えます。

炭火のグリルとガスのグリル

では、いわゆるバーベキューはどうやって作るのか…と思ったら「炭火を使うバーベキュー用のグリルを使うんだ」とのこと。

つまり、アメリカの家庭の屋外には、ガスを使うグリルと、炭を使うバーベキューグリルの両方があることになります。

(もちろん片方しか持っていない人もいるし、弱火で工夫すればガスグリルでもバーベキューができます。)

我が家は引っ越した際に、炭火のバーベキューグリルを安値で譲ってもらったので、それを使っていろいろ料理をしていたのだけど、近所のアメリカ人から「炭火でやるなんて大変でしょう?」というコメントすらもらいました。

どうやら、アメリカ人にとって、ガスのグリルは一般的でも、炭火のグリルはマイナーらしい。例えるならば、日本におけるマニュアル車(炭)とオートマ車(ガス)くらいの違いがあります。

確かに、炭火は火を起こすのに手間取るし、火加減が難しいし、何よりも灰の後始末がめちゃくちゃ面倒くさいです。料理が終わっても炭が燃えていて消えて冷めるを待っていると火が暮れるし…

アメリカの初心者気取りで炭火バーベキューをやっていたのに、どうやら多くのアメリカ人よりも高度なことをしていたようです。

bbq-brisket-grill_us-life弱火で5時間じっくり燻す、ブリスケットを作るところ。

bbq-yakitori1炭火を使って、日本の焼き鳥も上手にできるようになった。

そんなわけで、アメリカにしばらく住むという方は、ガスのバーベキューグリルを買ってみてはいかがでしょうか?煙を気にすることなく、ステーキ、ハンバーグ、グリルチキン、ホットドッグなどが作れますよ。

ガスボンベをつなげるだけの単純な構造なので、安いものは100ドルもしません。

炭火のバーベキューグリルになると、もっと単純な構造なので、20ドルくらいのものもあります。持ち運び用もあるし。

アメリカなので、じゃあガスも炭火も両方付けよう、という商品も当然あります。さらにそこに燻製できるパーツもついてきたりします。

そんなわけで、日本とはちょっと違う、アメリカのバーベキュー、そしてバーベキューグリル(ガスと炭)をご紹介しました。

ただしこのバーベキューグリル、買うのは簡単だけど、維持費(燃料費)やメンテナンス(食後の掃除)、そして引っ越し・帰国時の始末など、結構大変なので、くれぐれも衝動買いはなさらぬように…