2017年6月4日にテネシー州ナッシュビルのAscend Amphitheaterで開催されたMuse(ミューズ)のコンサートに行ってきました。前回の記事に続いて、Museのライブ本体の感想をセットリストと1曲ずつの感想としてご紹介します。
Ascend Amphiteater(ナッシュビルダウンタウンにある屋外ライブ会場)で夜7時にスタートしたMuseのコンサート、PVRISとThirty Seconds To MARSという2つのバンドが先に演奏した結果、メインアクトであるMuseの登場は開始からゆうに2時間を超えた9時15分になりました。
なお、Museのオープニングアクトとして登場したPVRISとThirty Seconds To MARSのパフォーマンスの様子は、前回の記事を参考にしてください。
いよいよMuse登場、メインの風格
Muse目当てにきた7000人近い観衆は、Jared Leto率いるThirty Seconds To MARSにすっかりノセられて体力消耗したのと、比較的長い準備時間(30分ちかくかかった)のために、若干ダレていました。
しかし、準備がととのって、9時15分にいよいよMuseが登場すると、一気に客席の雰囲気が変わりました。
ステージに設置されたスクリーンが赤くなり、BGMにあわせてMuseの3人が無言でステージ裏から登場しました。客席大歓声。
ボーカルMattは、ライト付きのサングラスをかけて、ベースやギターは電飾でヒカルという、悪趣味スレスレの格好なんだけど、めちゃくちゃ格好いいです。
メンバーは一切喋ることなく、2017年にリリースされたばかりの新曲Dig Downを歌い始めました。比較的静かなリズムと分かりやすいサビで、ひきこまれます。あれだけ楽しんだThirty Seconds To Marsも、Museを前にするとやはり前座でした。
新旧織り交ぜたセットリスト
Museの前回のツアーは、アルバム”Drones”の発売後のツアーだったのだけど、今回は特にアルバムをリリースしないツアーでした。そのため、新旧織り交ぜたラインナップでした。
セットリストは次の通りです。
- Dig Down
- Psycho
- Interlude
- Hysteria
- Resistance
- Plug in Baby
- The 2nd Law: Isolated System (ほぼインスト)
- The Handler
- Supermassive Black Hole
- New Kind of Kick (映像つき)
- Madness
- Dead Inside
- Munich Jam (ベースとドラム)
- Starlight
- Time Is Running Out
- Mercy
- The Globalist 〜 Drones
- Uprising
- Knights of Cydonia
最後の二曲は一応アンコール扱いになるようですが、Dronesが終わるとすぐに登場して演奏してました。
今回のツアーはまだ始まったばかりで、数日前にフロリダに立ち寄っていたようだったので、そのセットリストを事前に確認していたのだけど、100%同じ内容でした。
Museのツアー、1曲ごとの覚え書き
Dig Down:静かな立ち上がりから盛り上がる、オープニングの模範みたいな曲でした。次のアルバムが楽しみです。
Psycho:PVやアルバムでも挿入される鬼教官のセリフなどがスクリーンで再現されました。
Interlude (Hysteriaのイントロ)〜Hysteria:ギターの美メロが生で聞けて感激でした。
Resistance:ベースのコーラス”It could be wrong, it could be wrong”が見られて感激です。
Plug in Baby:サビが最高でした。
The 2nd Law: Isolated System (ほぼインスト):アルバム”2nd Law”の最後に入っているインスト。なぜ敢えてこの曲をやるのかとおもったら、ドラムだけ残ってDJみたいにひたすら映像と音楽にあわせてドラム演奏。要するにボーカルの休憩時間なんですね。案外心地よいリズムでした。
The Handler:休憩開けは激し目の曲で。後ろのスクリーンに巨大な鬼のような顔が出てきて、Museの3人を操る、という演出月でした。
Supermassive Black Hole:ダークな激し目の曲が続きます。新旧織り交ぜているのでいいですね。
New Kind of Kick (映像つき):カバー曲らしいけれど、これもボーカルの休憩で、ビデオでボーカルのマットが革ジャン・リーゼント姿で歌って、ベースとドラムは生演奏する、という若干シュールな内容でした。
Madness:しっとりと聞かせる。
Dead Inside:アルバム”Drones”の一発目の曲。80年代ぽい。
Munich Jam (ベースとドラム):再びボーカル休憩タイムで、ドラムとベースの格好いい掛け合いのインスト演奏です。
Starlight:なんとボーカルが舞台下に登場。「お知らせです、ナッシュビルプレデターズが勝ちました!」と同時刻にすぐ近くで開催されていた地元ホッケーチームが決勝トーナメントで1勝目をあげたことを伝え、客席大盛り上がり。椅子席と芝生席の通路に出てきて歌いました。サビは基本的に観客に歌わせて、ライブのハイライトでした。
Time Is Running Out:Starlightで客席を歩きながらの演奏がひと段落して、ボーカルが舞台に戻り、おちついて演奏が始まる、とおもったら、おなじみのイントロがはじまり、観客席は再度大爆発。
Mercy:見ている側もそろそろ限界だけど、クライマックスです。サビが素晴らしすぎて、本当にきてよかった、と歌の間ずっと思ってました。
The Globalist 〜 Drones:”じゃあプログレッシブ・ロックンロールを演奏するよ”と言い放って演奏開始。これは結構不思議な選曲で、アルバム”Dorones”に入っている10分くらいの静かで壮大なバラードです。長いのでアルバム聞いててときどき飛ばしちゃうことがあるのだけど、観客席もそういう人が多かったようで、終了目前にしてまさかの「雑談タイム」になってしまいました。室内だったらライブのクライマックスでみんな無言で涙しながら聞き入ってもいいシチュエーションなのだけど、野外会場なので、客席の集中力が続かないものなんでしょうかね。とはいえ、じっくり聞くとめちゃくちゃいい曲でした。
Uprising:一応ここからがアンコールということになってますが、1分もしないで戻ってきました。手を叩いて拳を突き上げる、というノリでした。
Knights of Cydonia:だいぶ長めのイントロに続いて、これが最後の曲です。ギターはめちゃくちゃエフェクトつけていた。サビのコーラス部分が画面上に出てきました。あれ、なんだかUprisingと似てる。
最後の曲を歌い終えると、Thank you!と言い残してメンバーは去って行きました。「もう一曲!」コールをする人もいたけれど、ほどなく照明が付き、100分ほどの濃密なライブが終了しました。だいたい10時50分頃に終わりました。
イギリス訛りでMCをするのかと思いきや、「こんばんわ」「ナッシュビルプレデターずが今勝ちました!」「次はxxです」「みんなどうだい」とか、曲の前に一言二言話す程度。たくさん喋って客席を乗せまくっていた直前のジャレッド・レト(Thirty Seconds To MARS)と対照的です。
映像を随所で使う関係もあるのか、どの会場でも同じような内容で、アドリブMCも少なく、ほとんどCDと同じように淡々と演奏する、という言い方をすると退屈なライブに聞こえますが、演奏も演出もいちいち格好良すぎて退屈する暇なんて一切ない、緊張感ある素晴らしいライブでした。
余談:このライブから1週間後に、facebookのMuseのページをみていたら、「テキサス州オースチンで開催されているツアーの模様を午後9:10(現地時間)から配信します」という驚愕のアナウンスがありました。1時間遅れでチェックしてみたら、普通にライブが高音質高画質で配信されてました。Muse好きでfacebookやってる人は、ぜひMuseをフォローしておくと良いです。
これからMuse始める人は、初期の2アルバムをおすすめします。完成された作風というか、ずっと同じ作風という説もある。