この記事では、私が利用しているアメリカの銀行のカード(デビットカード)が不正利用されたことと、その事後処理について、どんな手続きをしていったのかについて書いています。
私が利用しているフィフスサード銀行(Fifth Third Bank)から、メールが来ました。単なるクレジットカードの利用報告かと思いきや、「怪しげな利用があったので、確認してください」とのこと。
Your card ending in x1234 was used to make an online or phone purchase of $1.00 at DISH NETWORK-ONE TIME.
If you do not recognize this purchase, please contact Customer Service immediately by calling 1-800-972-3030.
意味:あなたの、下4けたが1234(架空の番号)のカードが、DISH NETWORK-ONE Timeのオンラインか電話での1ドルの支払いに利用されました。
この取引に心当たりが無い場合は、即座にカスタマーサービス(1-800-972-303)に連絡してください。
どうやらカードが不正利用されたようです。困りました。
3回も少額取引に不正利用されたカード
落ち着いてメールを読み返してみると、不正利用されたのはデビットカードでした。
私はフィフスサード銀行発行のクレジットカードとデビットカード(ATMの引き落としカードも兼用)を持っていますが、デビットカードはここ半年一切利用していません。
明細にあったDishというのはインターネットプロバイダーです。でも、我が家は使ったこともないし、1ドルという半端な金額も心当たり無し。
周りの人に聞いてみると、カードが不正利用される時は、高額の買い物をする前に、1ドル程度の少額取引をして、それがうまくいったことを確認してから高額の取引をするんだとか。
高額の取引が行われていないか、オンラインバンキングで残高や利用取引をチェックしてみると、この1ドル以外にも、最近3日で2件、合計3件の少額取引が発生して、すべて怪しいので「支払いを保留(Pending)」されていました。次の3件です。
- $14.08 at ZAP*ZAPPOS.COM
- $1.00 at DISH NETWORK-ONE TIME
- $1.00 at Google
…どれも心当たりがありません。Googleと言われても、そもそもこのカードはオンライン支払いに登録していません。
カード利用停止・再発行を依頼する
このまま放置していると、どんどん不正利用されてしまうので、カスタマーサービスに電話しました。すぐにオペレーターにつながるわけもなく、カード番号を入力したり、ソーシャルセキュリティー番号の下4桁を入力したり、電子音声で長いオプションを聞かされた後、ようやくオペレーターが通話口に出ました。
不正利用にあったようだ、という事情を話すと、私の口座情報と取引履歴をチェックした後で、「分かりました、不正利用されているということで、このカードを解約(Close)して、新しいデビットカードを作成します。3-4営業日で発送します。1-2日でお手元に届くはずです」という趣旨の事を告げられました。手馴れたものです。
カード再発行では問題解決しなかった
これで一安心、と思いきや、これで解決ではありませんでした。
オペレーターが続けて「私たちのカード部門では、不正利用を解約できないので、争議部門(Dispute Department)に連絡して、不正利用を解決してください」と言うのです。
今回の件は不正利用なので、私の銀行口座から支払われることはないのだけれど、「支払い保留(Pending)」の状態を変えることはできないようです。「保留」を消すために、別の部署と話さないといけないようです。
アメリカらしいな…と諦めながら伝えられた番号(877-833-6197)に電話をしました。争議部門の担当者が電話を取るわけもなく、カード番号を入力して、選択肢を延々と聞かされ、オペレーターにつながる…と思いきや、「現在回線が込み合っています。待ち時間は約30分です。そのまま待つか、電話番号を教えてくれれば30分後に折り返します」というメッセージが出ました。
仕方なく電話番号を入力して、折り返し電話を待ちます。
期待に反して(?)30分後にちゃんとかけてくれました。しかし、操作を間違えて切ってしまいました。再度折り返し依頼をしなくては…と思って登録すると、「あなたの番号は既に登録済みです」と言われてしまいました。これは、二度と電話してもらえないし、こちらからかけても延々につながらないパターン、と焦っていたら、意外にもそのままオペレーターが電話口に出ました。
不正利用の取り消しをする争議部門(Dispute)
銀行のDispute Department(争議部門)というのは、揉め事を解決する部門のようで、今回のように「身に覚えのない支払いがあるので、支払わないでくれ」という問い合わせを受け付けるようです。
カードが不正利用されたこと、先ほどカードを再発行依頼したことなどを伝えました。
争議部門のオペレーターは、不正利用されていた取引(Transaction)を一つ一つ読み上げて、それが私の支払いではない根拠を聞いてきました。
「このカードは半年以上利用していないし、自宅に保管してあって、オンラインの支払いにも登録したことがない」と淡々と事実を説明しました。
特にオペレーターからの質問はなく、流れ作業でした。そもそもが怪しい取引だったので、おそらく事情を記録するだけで受付完了のようです。
オペレーターは、記録したので、審査して、問題なければ4-5営業日で”Pending”の状態から削除するよ、ということでした。却下されることは100%無いような口ぶりです。
というわけで、カードの再発行も依頼したし、不正利用の支払いもキャンセルできたので、一件落着と思っていたら、まだ問題が発生しました。
オンラインバンクのパスワードリセット
最後に、Dispute Departmentが「デビットカードが家に届くまでオンラインバンキングは使えなくなりますからね」と、すごい事を言い出しました。
クレジットカードや銀行口座も同じフィフスサードなので、オンラインバンキングが使えないと、この先どんな取引があったかとか、似たような不正があったときに、口座情報を確認して、ということができません。数日間であっても、不安です。
正直に「使えなくなるのは困る」と伝えると、担当者は「では仮パスワードを発行するので、ATMの暗証番号を教えてください」と言ってきました。口頭で4桁の暗証番号を伝えると、「パスワードを一旦リセットしたので、オンラインバンキングに、”ATMの暗証番号”を使ってログインしてください」と言う指示がきました。
オンラインバンクは、自分で設定したユーザIDとパスワード(ATMの暗証番号とは違う)を使ってログインするのだけど、ATMの暗証番号が一時的にパスワードに設定されたようです。
予期せぬ指示に戸惑いながらログインすると、確かにログインできました。画面は「パスワードを変更しなさい」という指示になっているので、そのまま新しいパスワードを設定しました。
…どうやらこれで根本解決したようです。
デビットカードを再発行するとオンライン口座に支障が出る
何が起こったのか全くわからずにいたのですが、妻に話したところ意味がわかりました。妻も過去に同じ不正利用にあったらしく、同じような手続きをしていました。
フィフスサード銀行では、オンラインバンクのユーザー識別情報として、デビットカードの口座番号を使っているようです。そのため、デビットカードの番号が再発行などで変更された場合、これまでと同じようにログインできなくなるんだとか。妻は再発行後に色々オペレーターとやりとりして、再度オンラインバンキングが使えるようになったけれど、苦労したようです。
ただ、今回の私のやりとりでは、一切不具合は起こらなかったので、再発行のタイミングでオペレーターとやりとりしてパスワード変更をしておくと、大丈夫らしい。
まとめ:デビットカードが不正利用されたら
フィフスサード銀行のデビットカードが不正されたら、こういう流れで解決します。
- 不正取引されると、メールが送られてくる
- オンラインバンキングにログインして、不審な取引のPendingを確認する
- コールセンターに電話して、デビットカードを止めてもらって再発行してもらう
- 争議部門に電話して、不正取引を解除してもらう
- コールセンターに再度電話して、オンラインパスワードをリセットしてもらう
- 新しいカードが手元に届く
- オンラインバンキングにログインして不正取引が消えていることを確認する
すべて解決した数日後に、こんな手紙が届いていました。
「不正に使用された取引xxxxは、支払い対象にならなかったので、あなたの口座から引き落としは行われませんでした」という一言が安心させてくれます。
というわけで、不正取引があったら、パソコンの前に座って、オンラインバンキングをいつでも見られる状態で、コールセンターに電話してください。