アメリカの銀行口座を閉鎖する方法(Chase銀行の場合)

この記事では、アメリカの銀行口座を閉鎖するための手続きを、私の経験に基づいてご紹介します。JP Morgan Chase (Chase Bank)の事例です。

数年前、アメリカにはじめて来たときに、会社指定のJPモルガン・チェイス銀行(Chase Bank)に銀行口座を開設しました。しかし、その後引っ越した先に支店が無かったので、地元の銀行に口座開設をして、Chase Bankの口座を閉鎖することにしました。

これが一筋縄ではいかなかったので、どんな手続きが必要だったか、順番に説明しましょう。

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銀行口座を維持するのはタダじゃない

友人から聞いた怖い話です。

彼はアメリカで1年間暮らして、日本に帰る際に、銀行にあったドルをほぼ日本に送金して、残高を数ドル程度にしておいたそうです。しかし、数ヶ月後、銀行から数十ドルの請求がきていました。

アメリカの銀行の口座は、日本と違って「維持手数料」が発生することがあってります。ただ、500ドル以上の預金があれば無料、などという前提があるので、預金がある分には無料で使えます。ただ、預金が少なくなると毎月支払いが発生して、この友人のように「いくらかの預金があったはずが、いつのまにか借金に変わってた」という悲劇が起こります。

そんなわけで、使えない口座があった場合、預金を全部下ろして、即閉鎖するのが安全なようです。

ちなみに、友人は、アメリカ在住の知り合いに頼んで、請求された額を支払い、口座を閉めてもらったそうです。

オンラインでしか手続きができない…

口座を閉めるのは、支店に行って窓口で手続きをするのが一番簡単です。しかし、私が現在住んでいる地域にはChase銀行の支店がありません。最寄りでも車で片道2時間。わざわざ行くために時間とガソリンを使うのは無駄に思いました。そのため、ネット上で口座閉鎖をすることにしました。

「口座を閉める」なんてメニューがあったら、みんな簡単に退会できてしまうので、お問い合わせフォームから「近くに支店が無いから口座を閉めたい。手続きを教えて欲しい」とシンプルに質問しました。

すると、1日ほどで返事が来ました。

「残念ですが、承知しました。残高が1,000ドル未満の場合は、この連絡で対応します。それ以上の場合は、お近くの支店に来るか、書面で解約に必要な情報を提出してください」ということでした。私の残高は1,000ドル以上なので、書類が必要です。

解約のための書類を揃えて提出

残高が100,000ドル未満であれば、Chaseは書面で解約ができるようです。以下の情報を紙に書いて、チェース銀行(Chase)の解約窓口に郵送するとのころ。

  • 氏名
  • 電話番号
  • 口座番号
  • SSN(ソーシャルセキュリティ)
  • 残金の返却方法の指定(米国内の住所に小切手送付か、別のChase口座間振り込み)
  • 小切手を送付する住所
  • 本人の署名

フォーマットはないので、ツラツラと箇条書き。案外簡単なものです。Wordで必要事項を書いて、最後に署名して、普通郵便で送付しました。

書類受領連絡が来ない

アメリカにありがちなのだけど、受け取ったのか、受け取っていないのか、1週間たっても音沙汰がありません。

しびれを切らして「1週間以上前に書類を郵送したのだけど、受け取りましたか?」とお問い合わせフォームから連絡をしました。すると2日後にChaseから書面で連絡が届きました。

書面には「確かに書類を受け取ったけれど、署名はnotarizedされていないので無効です。もう一度notarizeして送ってください」とのこと。

notarizeって何?そんなの聞いてないよ、と思いました。(見直したら1,000ドル以上残高がある場合の解約はNotarizeしてくれと書いてあった…)

辞書を引くと、notarizeというのは、公証人の文書証明とのことです。大金を返すので、手続きが少々煩雑になっている様子。なんだかメンドウなことになってきました。

Notarizeをするために、近所の◯◯へ

高い手数料を公証人に払って証明してもらうくらいなら、2時間ドライブして支店に行った方が早いかも…と弱気になりつつ、念のため近くでnotarizeしてくれる施設を探しました。

すると、ネットの掲示板のようなところに「たいていの銀行は無料でnotarizeしてくれる。有料でも2-3ドル程度」という情報を見つけました。

他にも、薬局や郵便局などでもサービスを提供していることがあるようです。

署名社会のアメリカなので、名前から想像される以上に身近なサービスなのですね。

銀行でnotarizeをしてもらうが、なかなか受理されない

そういうわけで、新たに開設したメインバンクである地方銀行に行きました。自分の署名前の書類を渡して、身分証名のために免許証を渡すと、台帳に免許証の住所と、notarizeの理由を記帳したうえで、書類をnotarizeしてくれました。

といっても、スタンプみたいなものを押すだけでした。

notary-service

担当者名消してます。公証の資格を持った人の氏名と、資格の有効期限が書いてある。

これに自分のサインを書いたらnotirize終了。というわけで再び書類が揃ったので、普通郵便で書類を送りました。

1週間ほど待ったのだけど、やはり連絡はありません。再び「どういう状況ですか?」と問い合わせました。今度は「現在審議中(Pending)なので、2-3日待ってください」との返事です。

いよいよ閉鎖。小切手受け取りにやきもきする

こうなったら2日きっかりで再フォローしてやろう、と思って、2日後に連絡をすべく、自分のインターネット口座にログインしました。すると、「あなたの口座は存在しません(You don’t have any accounts to show)」というメッセージが出てきました。

chase-closed

ついに、口座が閉鎖されたようです!ログインはできちゃうんですね。

そうなると、残金がいつ帰ってくるのか心配になってきます。1週間が経過しても、家に届くのはChaseのダイレクトメールのみ。紛失・盗難・手違いなど、嫌なシチュエーションばかり浮かびます。そこで再び問い合わせました。

「もう1週間待っているけど、いつ頃小切手は届くの?」

回答は「xx日に発送しました。5-7営業日お待ちください」とのこと。アメリカ国内の郵便で最低5日ってかかりすぎだろう、と思ったけれど、しぶしぶ7日待つことにしました。すると、6営業日目に家にペラペラの封筒が届きました。

chase-closing

やりました、ついに口座を閉鎖して、残金が手元に戻ってきました!

手紙の一番下の部分が小切手になっているので、切り離して銀行に持っていくか、携帯アプリを使って自分の銀行口座に入金します。私は携帯アプリで入金です。

思い立ってから2ヶ月以上におよぶ手続きの末、ついに銀行口座閉鎖に成功です。

まとめ:Chase銀行の閉鎖の仕方

長くなったので、Chase Bankの口座閉鎖の方法をまとめましょう。

Chase銀行は、口座に一定額が入金されていないと、口座維持手数料が発生します。そのため、使わなくなったら閉鎖しましょう。窓口に行けば簡単に閉鎖できるけれど、近くに支店がない場合は…

  • 氏名
  • 電話番号
  • 口座番号
  • SSN(ソーシャルセキュリティ)
  • 残金分の小切手送付先(米国内の住所)
  • 小切手を送付する住所
  • 公証人証明付き(notarized)の本人の署名

以上を揃えて、テキサス州にあるJP Molgan ChaseのNational Account Closingという部署に郵送すると、2週間くらいで処理されて、小切手が手元に戻ってきます。1週間おきに「どうなってますか?」とチェックするのが良いかもです。

ちなみに、日本から手続きしようとすると、公証人の署名をもらうのに1万円近くかかるらしいので、避けたほうが良さそうです。