この記事では、アメリカにある我が家のトイレが水漏れしたことと、それを自力で修理した話について書いています。業者を呼ぼうかと思ったのに、わずか5分で10ドルもしないで自分で直すことができました。
アメリカで中古物件(築10年程度)を購入して1年半がたち、家のあちこちでガタが出てきました。多少の故障ならば気にならないのだけれど、一番恐れていた水周りのトラブルが発生してしまいました。
事態を発見したところから、解決するまでの葛藤を記事にまとめました。
帰宅するとトイレの床が水浸しになっていた
しばらく前から、寝室のトイレの様子がおかしくなっていました。流しても、水流が弱く、タンクが満タンになるまでにすごく時間がかかるのです。寝室のトイレは我が家で一番使うので、困りました。とはいえ、リビングにももう一つトイレがあるので、そっちの利用頻度を増やすことでごまかしていました。
しかし、ある日、帰宅して寝室のトイレの前を通ると、なんだか床が濡れています。息子がオシッコをこぼしてしまったのか‥と一瞬疑ったのだけど、おしっこにしては濡れ過ぎています。というか軽く水浸しです。軽くパニック。壁を壊して排水管を直さないといけないのか、と最悪の事態が頭をよぎります。
「トイレを利用しない」では解決しないのか
慌てていても仕方がないので、事態を円満に抑える方法を探します。よくみると、壁から便器につながるパイプに蛇口が付いています。おそらくこの蛇口を止めれば水が止まるはず。というわけで、床の水をすべてタオルでふいて、蛇口を止めて、事態が治るかどうかを見守ります。
水を止めて、床が乾いた状態でよく見ると、トイレのタンクの下の部分、ちょうどパイプとのつなぎ目から水滴が出ていました。どうやらこれが元凶のようです。
一晩放置したところ、水漏れは治ったので、水が流れている状態で、パイプとタンクのつなぎ目から水が漏れていると結論が出ました。
つまり、トイレの元栓を止めている限りは水漏れは無いようです。家を引っ越すまで水を止めておけば、なんとかなる…という非現実的な解決策が出てきました。
トイレの修理は保険でカバーできるのか
素人考えで思いつくのは、水道菅とトイレのタンクをつなぐパイプが割れて、そこから水漏れをしているか、タンクがひび割れていて、そこから水漏れをしている、という2点でした。
どちらにしても、自分の力でどうにかできるとは到底思えません。
とはいえ、修理業者を呼んだら「修理費用100ドル、出張費用100ドル、部品代100ドル…」と、軽く10万円くらい掛かりそうな予感がします。
でも、こんなときのための住宅保険があるのでは、と思って契約書をみてみると、トイレ関連の記載があります。もしかすると、保険適用で直せるのかもしれません。
まさかのパーツ交換で直せることが判明
水漏れが発生したのが金曜の夕方で、保険会社も配管業者も週末休みのところが多そうなので、いったん連絡するのは保留しました。
週末の間に、もういちど自分でなんとかできないのか、調べることにしました。お隣さんにレンチを借りて、パイプとタンクを外してみました。パイプ側は水漏れしている形跡はありません。となるとタンク本体が怪しいです。
パイプを再度つないで、タンクの表面とパイプをしっかり拭いて、再び水道栓を開けました。どこから水漏れするのか再確認するのです。
水道栓を開けて30秒もしないうちに、タンク下部、つなぎ目の部分から水滴がゆっくりと滴り始めました。やはりタンク側に問題がありそうです。
とはいっても、構造もわからないし、何を交換すれば良いのかわかりません。
困り果てた妻が、家のDIYなどに詳しそうな知り合いに状況写真を送りました。すると、友人は頼もしいアドバイスをしてきます。「xxは調べたか?」「xxの可能性がある、xxを調べろ」というように、一つ一つ可能性を絞り込んできます。
私たちが試行錯誤したことを伝えると、彼の中では原因究明ができたようで、「Home DepotかLowe’s(両方ともDIYの部品・工具販売店の大手)で、パーツを買って交換してみろ」という結論が出ました。
自力でパーツ交換したら5分で終わった
彼のアドバイスに従い、近くのホームデポに行きました。トイレコーナーへ行くと、パッキンやらパイプなどに混じって、「トイレのタンク内のパイプ」という商品が置いてありました。しかも僅か1種類のみ。
不安になって店員に「これはどのトイレにも使えるのか?」と質問すると、「そうだ、ユニバーサルパーツだからね」と自信満々に返答されました。
半信半疑のまま、支払いを済まして(10ドルしませんでした)家に帰りました。
説明書に従って、交換をします。YouTubeなどの動画をみると、イメージがわきます。
- まずトイレの水道元栓をしめる。
- 何度か水を流してタンクの水をすべて流す。底に残った分はタオルやスポンジで吸い取る
- パイプとタンクの連結ねじをゆるめる
- 古い交換用パーツをタンクから外して、新しい交換用パーツを取り付け、ねじで再度パイプとつなげる。
高さの微調整や、他のパーツとゴムパイプでつないだりと、細々とした周辺作業はあるものの、ほぼこれだけです。本当に5分でできました。
上が新しい交換用パーツ、下がこれまで使っていた交換用パーツ。
どうやら、交換用パーツのパッキンが劣化していて、タンク底部に隙間ができてしまい、水を流すとそこから水漏れが生じる、ということだったようです。部品交換で根本解決しました。
まとめ:DIYスキルは高いほうが良い
そんなわけで、保険とか配管工(Plumber)とかに一切頼ることなく、10ドルの買い物と5分の作業でトイレの水漏れは簡単に治りました。でも、友人のアドバイスがなければ、自分で治せるものだということもわからなかったし、交換用パーツが販売されていることすら考えもしませんでした。
しかし、どんな高級トイレでも、軒並み10ドル程度のちゃっちいプラスチックのパーツで済ませるって、アメリカの品質は不思議ですね。でも、それを全米統一規格にすることで、混乱や修理コストを最小限に押さえられるというのも不思議な話です。