夫婦で海を挟んでの別居を解消するまでの長い話(その10)

この記事では、我が家がかつて経験した、妻の海外勤務にともなう別居について書いています。別居を解消すべく、退職して妻についていく(専業主夫になる)覚悟を決めた私に、妻は心強い言葉をかけてくれました。

退職面談で休職をほのめかし、ハロウィンにゾウの着ぐるみをきた息子の写真をみて退職を決意した話を前回の記事に書きました。この記事ではいよいよ退職を決めて、会社と退職に向けてどんなことをしたのか、書いています。

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妻のセリフ「私がなんとかするから、心配しないで」

11月の連休に、1ヶ月ぶりに渡米した私に、息子はゾウの着ぐるみを見せてくれました。ハロウィンのリアルタイムに見られなかったやつです。ゾウの着ぐるみを着たまま私のスーツケースからお土産を漁る姿はとても可愛らしくて、見られて本当に良かったです。

私は改めて人事と上司との面談の結果を妻に報告し、これまで考えた結果と合わせて退職する意思を妻に伝えました。

「そっか、それなら仕方ないよね」と、晴れやかな顔で妻は快く退職を受け入れてくれました。

1年近くに渡り、私と妻は「退職したい」→「いやなんとか休職する道を」→「休職できそう」→「やっぱり反対された」→「退職」→「休職できないか?」というやり取りを繰り返してきたので、妻は精神的に大変な思いをしてきたと思います。

「まー私が働いてるし、家族を養うくらいは稼げるよ。ま、私がなんとかするから心配しないで。アメリカでの就職先がないか、上司にも聞いてみるよ」

と、まで言ってくれました。今まで本当に苦労をかけたな、そして本当に結婚して良かったな、と思いました。

退職のタイミングは留守番のタイミングと合わせる事に

結論が決まったので、夫婦で具体的な話し合いを始めることにしました。

妻にとっては、配偶者が合流することになるので、会社の総務部門との調整が必要になります。具体的には、アメリカで暮らすためのビザ取得(2ヶ月くらいかかる)手続きや、引越しの費用の相談、健康保険など、いろいろな手続きがあります。

(海外赴任する男性が、奥さんを呼び寄せる時の手続きと同じです)

一番のポイントとなったのは「何月何日に私が会社を辞めれば良いか」という点でした。

折しも、海外駐在員である妻は「一時帰国手当」という制度を利用して、年末に息子と一時帰国することになっていました。これは、駐在員が家族で帰省する時など、会社が旅費を負担してくれる(ただし回数や金額の上限あり)のです。私が渡米した直後に日本に一時帰国するなんて効率が悪いので、それより後が良さそうです。

また、ビザの取得が申請から2ヶ月近くかかるという点もネックです。

結局、妻が2月に日本出張を予定しており、その間の息子の面倒を見られなくなってしまう、という現実的な事情を考慮し、妻の2月の日本出張の少し前までにアメリカに引っ越そう、ということになりました。

退社は月末が良さそうだね、ということで2015年の1月31日を退職日として、上司にその旨を伝えることになりました。

退職面談で上司と農業の話で盛り上がる

そんな話し合いが終わって、再び日本に戻りました。善は急げということで、退職の意思を伝えるために上司と面談を設定しました。上司は普段は隣に座っているのだけど、定時後に同じフロアの端っこの個室に移って二人で話をしました。

これまでさんざん話してきた話だったので、上司は「やっぱりそうか…」という受け止め方をしてきました。上司はいつも遅くまで働いているものの、家族思いで、できればプライベートをもっと充実させたい、と思っている方です。「俺も退職して農業やってみたかったなー」とポツリと呟いていました。

気まずい雰囲気にしたくなかったこともあり、面談の後半はその上司のつぶやきを拾って上司の農業の話で盛り上がりました。一時は本格的に農業で生計を立てることを検討したこともあったけれど、採算が全く取れないことがわかり、サラリーマンでいることを選択したんだそうです。

私の退職については、上司がこの後に人事に報告し、上司経由でその後の手続きが案内されるとのことでした。一体どのくらいの待ち時間が発生するものやら見当がついていませんでした。

退職手続きで知った驚愕の事実。退職は呆気ないほど簡単

数日後、今度は上司が個別の面談を設定してきました。今度は具体的な退職手続きの話です。

退職願のフォーマットを渡して、「この退職願に退職希望日を含む必要事項を書いて、ハンコおして俺に渡してね」とのことでした。

妻の会社に退職日を伝えて、渡米の日程を決めるので、退職日を確定しないと困ります。休職の申請でさんざん待たされてきた私はさっそく確認しました。「退職希望日を書いても、そのあと色々と承認を待つ必要があるんですか?退職日が伸びてしまうと色々大変なんですけど…」

上司曰く、退職届けは確定事項であって、休職と違って承認するしないは無いのだとか。ごく稀に悪い会社が退職届けを突っぱねることもあるのかもしれませんが、私の職場は辞める人を引きとどめるほど悪どいことをすることはないそうで、ちゃんと希望日通りに退職できるよ、と言われました。去る者に優しい!そして、辞めるの初めてなので、色々勝手がわからないことだらけです。

上司は「もし退職願を書き損じちゃったら言ってね、また貰ってくるから」と冗談めかして言ってきました。さすがにそれは気まずいので、書き損じても良いように、面談後に速攻で2部コピーをとりました。

その次の日から上司は2週間ほど海外出張に行ってしまったため、上司の帰国を待ってから退職願を正式に提出しました。11月中旬のことでした。退職日は1月末に設定したので、そこから退職まで1ヶ月半のカウントダウンが始まりました。

次回の記事が最後です。まとめる前に、では、いざ退職、の前に行われたボーナス面談(査定面談)と、家族で過ごした冬休みについてご紹介します。

次の記事(最終話)はこちらから。