夫婦で海を挟んでの別居を解消するまでの長い話(その5)

この記事では、我が家がかつて経験した、妻の海外勤務にともなう別居について書いています。別居解消のために休職を申し出たのだけど、却下されて、しかも異動することになりました。

前回の記事では、休職を申し出つつもバリバリと働き、ゴールデンウィークには家族に会いにアメリカまで旅行した事を書きました。

ゴールデンウィークが明けて忙しく働いていたときに、ようやく上司と面談する機会がやってきました。

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上司と再び面談。果たして休職できるのか?

上司には、「家族と一緒に暮らしたいから、妻が海外赴任している期間は休職(配偶者海外赴任同伴休暇)したいけど、休職するまでしっかり働く」と伝えていました。その後、上司は総務部門と会話して、ようやく結論が出たようです。

上司は渋い表情でした。言葉を選びながら慎重に説明をしてくれました。が、言葉を選びすぎた結果、私には内容が理解できず、聞き返してしまいました。要点は2つでした。

・休職は認められない
・近いうちにお前を海外部門に異動させる

上司なりに、会社と私の最善になるよういろいろ考えた結果だそうです。しかし、これは全くこちらの主張にマッチしていません。「それじゃ、いつになったら私は家族と暮らせるんですか!」と噛みついた私を諭す際に、上司は「それならば最後の手段を取るしかないよ」と言葉を選びながら伝えました。これも良くわからずに聞き返すと、「退職するしかないよ」とのこと。

なおも納得ができず、食い下がろうとしなかった私に対し、温厚な上司が珍しく声を荒げました。彼が言ったのは「権利を主張する前に義務を果たしなさい」という趣旨の言葉でした。

こちらもワガママを言っていることは十分承知なので、その場は「わかりました」と言って引き下がってしまったのですが、後から思うとこの「権利を主張する前に〜」って便利なフレーズで結構ズルいなあ、と思います。私のシチュエーションで休職を取得するための具体的な義務って別に規定されてないんですよね。結局は関係者の主観でしかない。

なお、上司との会話で一つわかったことがありました。これまで上司が渋っていたのかと思っていたのだけど、要するに総務部門が反対していたようです。

異動はいつからなの?交渉相手もいなくなる

しかしますます困ったことになりました。いろいろあったけれど、退職するという意思は全く持っていなかったからです。(ネタバレをしておくと、結局退職したので、なぜそこまで固執していたのか、と後から思いました)

何より困ったのは、近いうちにある、という異動を切り出されたことで、交渉相手が変わってしまったことです。その当時の上司の話では、海外出向中の「ある人」が日本に戻ってきたタイミングで、海外部門が新設され、そこに私を含めた何名かが異動することになるそうです。

その「ある人」とは、私が数年前にお世話になっていた方でした。メチャクチャ優秀な方で、私にとって師匠とも言える存在です。仕事で色々な事を叩き込まれました。そして、今の上司以上に家族と仕事の両立面に理解のある方です。

上司が変わることで、休職交渉がはるかにしやすくなる、異動先が海外部門なので、アメリカ赴任の可能性も復活するという光明が見えてきました。

しかし、同時にダークサイドもありました。結局のところ、全ては予定なので、私がアメリカに行かれるのかわからないし、行かれるとしてもいつになるのかわかりません。また、異動といっても、いつからなのか全く分かりません。そして、交渉相手が変わるので、これまでやってきたやりとりがすべてイチからやり直しになります。

事態が好転したのか、悪化したのか、よくわからないままに、6月を迎えました。

一応お断りしておくと、ワガママを言ったために報復異動させられたわけではなく、あくまで本人のスキル・希望と会社の方針を一致させるため、会社として本人に最適な部署に異動させたということです。少なくとも私はそう受け止めています。

間も無く半分です、まだまだ続きます