職その1:アメリカでの就労許可の手続きはいったい何日かかる?恐るべしお役所仕事の実態

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この記事では、アメリカで就労するためにまず最初に必要な文書「就労許可証」の申請について書いています。

アメリカで働くには、ビザが必要です。観光で訪米しているのに働いたり、留学のために渡米したのに働くのはNGです。また、ビザの種類が就労を許可しているものであっても、就労許可証を取得する必要があります。

私の経験に基づく就労許可証の取得までの道のりを書きます。

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駐在員の配偶者は就労可能だけど、就労許可が要る

E2ビザでアメリカに来ている人の配偶者は就労が許可されています。E2ビザというのは、日本企業がアメリカに子会社なんかを作っていて、そこに出向する人が取得するビザです。いわゆる「駐在妻」の人たちはこのケースが多いんじゃないでしょうか。

とはいえ、ビザを持っていても、即就職できるというわけではありません。厳密には家庭教師とかベビーシッターとか対価をもらう労働はしてはいけません。米国移民局(USCIS)に必要な書類を一式提出し、就労許可証を発行してもらう必要があります。

就労許可証はEAD (Employment Authorization Document)とも言います。

労働許可をもらうために移民局に提出するのは
・I-765 (申請書類)
・パスポートや免許証のコピー
・配偶者との婚姻関係を証明する書類(戸籍原本と英訳など)
・I-94のコピー
・手数料の小切手($380ドル=4.5万円くらい)
・顔写真

などです。(詳しくはUSCISのサイトで確認してください)

郵送したのだけど、書類が多くて封筒がパンパンになりました。

アメリカの就労許可証発行の途中経過と、処理日数

アメリカに着いてしばらく、「ビザが就労OKだから就職も楽勝」と思っていたのだけど、EADが無いことには雇用してもらえないことが判明し、青ざめました。

幸いにして戸籍は持参していたので、ネットにあるサンプルを見ながら自力で英訳。画像編集ソフトで顔写真を手頃なサイズに加工して近くのWalgreensでプリントアウトし、郵便局に駆け込んで書類を郵送しました。

・3月6日:書類を投函する

・3月11日:書類を受理した旨の書面が配達される
→Form I-797C Form of Actionという1枚の紙切れで、小切手含む書類を受け取った事と、私の処理番号が記載されていました。

USCISのウェブサイトに処理番号を入力すると、処理状況がオンライン照会できるようになっていて、3月9日に”Case was Received”(申請が受理された)ことがわかりました。

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〜そこから3ヶ月間、何もなし〜

・6月12日:USCISのサイトのステータスが、 “Card Was Ordered To Be Produced”(カードを作成するよう指示がでました)に変わる。

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・6月15日:なんの前触れもなく、就労許可を示すI-797Cという書類が手元に届く。記載されている就労可能な日付は6月10日から。

・6月18日:USCISのサイトのステータスが、”Card Was Delivered To Me By The Post Office”(カードは郵便局によって配達されました)に変わる

・6月18日:就労許可証カードが手元に届く。免許証サイズ、顔写真入り、有効期間は6月10日から。

強烈なお役所仕事、米国移民局は申請から3ヶ月間音沙汰なし

強烈なのは、3月にUSCISに提出して、6月に就労許可が降りるまで移民局からは一切音沙汰無しという点です。毎日のようにUSCISのウェブサイトに自分の照会番号を入力して、処理状況をチェックしていたのだけど、ずっと”Case Was Received”のみ。

これでは提出書類に不備があったのか順調に処理されているのか一切わかりません。1ヶ月半で発行された人もいる、という話を聞いていたので、途中で痺れを切らして、USCISに問い合わせました。

電話すると、自動音声で様々なオプションが出るのだけど、最後に一つ「オペレーターと会話する」が選べるので、それを辛抱強く待ちます。

しかし、担当者は「通常の処理に3ヶ月程度かかるので、3ヶ月を越えても進展がなかったらまた連絡してください」との一点張り。不備があったら困るから先回りして確認したのだけど、そういう事情は無視するようです。

配偶者の勤務先の紹介で法律屋さんに聞いてみたのだけど「彼ら(USCIS)は自分たちのプロセスが完璧だと信じているからそういう対応だよ。”90日以内に発行する”というルールを厳格に適用するあまり、 “89日-90日で発行する”という進め方をしているから、90日待つしかないよ、何一つ先回りは出来ない」と言われました。

「90日以内に対応=90日で対応すれば良い」、、、その発想はなかった!!

書類に不備があったら再提出とか質問されるとか、指紋情報を登録するために近郊のUSCIS事務所に来てもらう可能性があるとか、書かれていたけれど一切ありませんでした。3ヶ月たったら突然カードが発行されました。

若干腹立たしいことに、カードに記載されている有効期限が6月10日付(申請した日からきっかり90日)になっていたことです。6月10日時点でウェブサイトには一切変化がなく、その数日後の6月12日に進展が見えたので、いわゆる日付のバックデートをして「申請から90日」というルールの帳尻を合わせているな、と思いました。

就労許可証を持たずに働くのは違法なので、雇用主としては、カードが発行されないと雇用してくれないようですが、カードに書かれている日付が判明したらその日付から働くことも可能なようです。(ちょっとだけリスキーだけど)

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以前別サイトで公開していた情報をこちらに移しました。


コメント

  1. たか より:

    有用な情報ありがとうございます。就労許可書の有効期限は配偶者のビザと同じ期間でしたでしょうか?教えて頂ければ助かります。

    • アメリカで生活する日本人 より:

      たかさま

      ビザではなくて、I-94(入国のタイミングで都度更新される滞在証明)の有効期限です。I-94が最大2年なので、海外旅行から帰ってきたり、入国してすぐに申請すると2年近い有効期限で作れます。

      • たか より:

        回答ありがとうございます。
        久しぶりにチェックしたらコメントありました。とても助かります。
        I-94フォームはなぜか入出国の際にチェックされたことが無く、古いままですが。これは入国時にどこかで下さいと言ってもらえるようなものでしょうか。
        と質問しようと思ったのですが、下記で入手できるみたいですね。
        https://i94.cbp.dhs.gov/I94/#/home
        ご回答ありがとうございました。

        • アメリカで生活する日本人 より:

          ええ、i94は昔は紙だったのだけど、2013年に電子化されて、webでパスポート番号を入力すると表示できるようになりました。