2017年6月4日にテネシー州ナッシュビルのAscend Amphitheaterで開催されたMuse(ミューズ)のコンサートに行ってきました。会場入りするまでの様子と、ライブのオープニングアクトなどの感想をお伝えします。2番目に出てきたThirty Seconds To Marsがかなり良かったです。(Muse本体については次の記事で書きます)
アメリカにいるうちに好きなアーティストのライブに行かれたら嬉しいなあ、と思っていたところ、見たいランキング第1位のMUSEがまさかのナッシュビル公演をするというので、喜び勇んで見に行きました。(2位はAdeleで、2016年にナッシュビルにきたのだけど、2daysコンサートが即完売のありえない人気ぷりだったので断念しました )
4ヶ月前にチケットを苦労しながら買って、CDも揃えて予習バッチリでMuseのコンサート当日を迎えました。友達もいないので、一人で見に行ってきました。
会場入りに立ちはだかる黄色い壁
会場(Ascend Amphiteater)はナッシュビルダウンタウンにあるので、会場前に巨大な無料駐車場があるわけではありません。車をどこかの駐車場(たいてい有料)に停めて少し歩く必要があります。私はいつも、ダウンタウンに行くときは、Nissan Stadium(フットボール場)の駐車場に停めて、歩行者用の橋を渡っていました。しかし、その日はただの土曜日ではありませんでした。
Museのコンサートとちょうど同時刻に数ブロックはなれたBridgestone Arenaにて、NHL(ホッケー)のプレーオフトーナメントの優勝決定戦(7番勝負の第3戦)が開催されるのです。1998年にできた歴史の浅い地元チームナッシュビルプレデターズが、初めてチャンピオンの座をかけて争う試合とあって、1万人も収容しない会場のまわりに3万人くらいの観客が押し寄せていたのです。
普通のホッケーの試合があるときでもこんなに埋まらない。
そんなわけで、Nissan Studiumの駐車場はいっぱいです。かなり端っこまで行ったところ、幸いにもガラガラになっている駐車場を見つけたので、そこに無料で駐車することができました。日産スタジアムでイベントをやっていないのにこんなに駐車場が埋まるのは珍しいはず。
ちなみに、日産スタジアムにもAscend Amphitheaterの観客向け有料駐車場($5)があるそうなのだけど、途中まであった看板が案内を放棄してしまったため、どこにあったのかわからずじまいでした。
駐車場からは、こんな歩行者橋を渡ってダウンタウンに向かいます。ホッケー会場のあるダウンタウンまでは、ほとんど黄色いジャージやTシャツを着た人でごったがえしています。ダウンタウンの道路に走っている車はほとんどタクシー(UberやLyft)でした。
会場は椅子持ち込み可だけども…
開始10分前に着くと、入場ゲートは混雑していました。簡単なセキュリティチェックがあって、手ぶらの人は比較的スムーズに通していました。私はバッグなど持たず、カードと身分証とチケットと車の鍵だけを持って行きました。ペットボトル1本だけ持ち込めるような事が買いてあったのだけど、どうやら読み違いだったようで、入り口で没収されました。
芝生席は座高の低い椅子の持ち込みは可能なようで、チラホラと椅子を持ち込んでいる人がいました。とはいえ、思っている以上にみんな芝生に直に座っていました。後でわかったのだけど、芝生席と言ってもみんなのんびり見ないでライブ中はずっと立っているので、椅子あっても関係なかったのです。
こんな感じ。ちょっとしたフェスみたいな感じ。前方は椅子席とモッシュ席です。
水分がとにかく高い売店
会場内には、地元の有名バーベキュー店(Martin’sというローカルチェーン)をはじめとした売店がある、という風に聞いていたのだけど、見つけられず、ピザやポテトを売っているすごく普通の売店で食料を調達する羽目になりました。
日本の屋台にあるような個性的で美味しい食べ物はほとんどなくて、揚げ物・焼いたひき肉とかそんなものばかりです。
メニューの一例は、ホットドッグが8ドル、コーンドック(アメリカンドッグ)が6ドル、ポテトフライが6.25ドル(買ったけど結構多かった)、一番高いのがチーズバーガーで12ドルでした。
味は、格安チェーンと比べると結構良い品質だったので、これは良心的な値段でした。
問題は水分で、ペットボトルの水がなんと7.5ドルで売られていました。(この売店だともう少し安くて5ドルだった)
ビールは12.5ドルで700mlくらいのの大缶が売られていて、ちょっといいビールはもう少し高くて少ないようでした。
会場内は禁煙で嬉しかったのだけど、始まってみると芝生席で勝手にタバコを吸い始めるマナーの悪い客がかなりたくさんいて、思いのほか煙かったです。アメリカでもタバコのマナー悪い人いるんですね。
オープニングアクト:PVRIS(パリス)
オープニングは、7時ぴったりに始まりました。PVRIS(Paris/パリスと発音)という女性ボーカルのバンドでした。そんなに有名ではないようで、大半の人が席探しやら食料調達をしていて、ステージ前のPIT席の人以外は着席して聞いていました。芝生席にちらほら立ちながら見ている人がいて、自分の前の客が立ったらいやだなあ、と思っていました。(でもあとでみんな立つので関係なかった)
ジャンルはダンサブルなスリーピースロックといったところでしょうか。ノリのいい曲がおおくて、反応は薄いもののみんな楽しんで聞いているようでした。
なぜかPVではVo.の人脱ぎまくってるけど、普通の格好で演奏してました。
「アタシたちバカだからPVRISって書いてパリスって読むんだよ」とか短いMCをはさみつつ、盛り上げる練習をするような曲を演奏したりして、30分きっかりで切り上げていました。
セカンドアクト:Thirty Seconds To Mars
20分ほどの入れかえ作業のあと、次のバンドが出てきました。入れ替え作業中にネットで調べたところ、Thirty Seconds To Marsというのは、90年代アメリカのカリフォルニアで結成されたバンドで、ボーカルJared Letoの兄弟や友人で結成されたバンドとのことでした。
ジャレッド・レトってめちゃくちゃ有名な俳優がいたよな…と思って調べると、まさかのその人でした。最近ではスーサイド・スクワッドでジョーカー役を演じた、アカデミー賞(2013年にダラスバイヤーズクラブで助演男優賞)まで受賞している大物俳優です。バンドやってるなんて知りませんでした。
バンドはオマケ程度の活動なのかな、と思っていたけれど、これがなかなかのクオリティで、登場するなり観客総立ち。
彼らの曲は一曲も知らなかったのだけど、めちゃくちゃノリのいい曲で始まりました。イケメン俳優のバンドとあなどっていたけれど、ビジュアル重視の女性ファンだけでなくて、Museを見に来たであろうはずの観客男女みんなノリノリで聞いていました。
ちなみに、この日のジャレッド・レトは、ナッシュビル・プレデターズのノースリーブ(地元ファンサービス)にパジャマみたいな派手な柄のズボンに、ロングコートを羽織ってサングラスという「ラスプーチンみたいな格好(本人談)」でした。イケメンすぎてファッションを外しまくるというやつでしょうかね。
それにしてもボーカルとしてのジャレッドは、客席に歩いてきて観客とセルフィー撮ったり、随所でホッケーの途中経過を教えてくれたり、観客を何人かステージにあげて右側と左側の客席でどっちの歓声が大きいか競わせたりと、「ヨセミテ公園のロッククライミングを成功させた友人のアレックスにビデオレター送りたいから客席が一斉に『おめでとう』と言って」と頼んできたり、最後は客席全体と記念写真を撮ったり…、とにかくサービス精神旺盛で盛り上げ上手でした。
50分ほど歌って終了でした。このあとにトリのミューズが控えているというのに、観客盛り上がりすぎて、彼らの出番が終わった後、かなり消耗している雰囲気が漂っていました。
ジョーカー役でジャレッド・レトが出演。怪演しているけれど、ジョーカーの出番は少なくて、なによりもびっくりするくらいつまらなかったです。