買っていないのに返品できる?Walmartの不思議な仕組み

この記事では、アメリカ最大の小売店であるWalmart (ウォルマート)に商品を返品するための方法をご紹介します。レシートを持っていけば返品できるのはある意味当然なのですが、なんとレシート無しでも、もっと言うとお店で購入していなくても返品ができてしまいます。

買い物をしていると、間違えてサイズ違いの商品を買ってしまうこともあると思います。また、頼まれた品物を買ったつもりが、別の商品を買ってしまったこともあるでしょう。そんな場合は返品ができます。でも、大規模スーパーであるWalmartの返品の仕組みは、日本人の発想からすると斜め上をいっていました。4つのレベルに分けてご紹介しましょう。

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レベル1:未開封でレシート付きの商品を返品

間違えて商品を購入してしまった場合、返品したくなると思います。WalmartにはCustomer CenterやCustomer Supportという総合受付のような場所があるので、そこにレシートと商品を持っていきましょう。カードで購入した場合、使用したクレジットカードもお忘れなく。

「2ページ以上ある書類に個人情報を記入して、返品理由を記載して自分の署名を書く」…なんて手続きは一切不要です。

受付の人が、レシートを確認したら、返品したい商品のバーコードをスキャンします。現金払いの場合は現金を返金、クレジットカード支払いの場合は、購入に使ったクレジットカードを読み取り「数日後にこの商品の支払いがキャンセルされるからね」と言われます。以上です。

ここまでは日本でもよく見られる光景でしょう。

レベル2:開封済みでレシート付きの商品を返品

下着を買って、パッケージを開けて、履いてみたらキツくて入らない、そんな経験はありませんか?

「パッケージ破いちゃったし、履いちゃったから返品はできない、お金を無駄にした!」と思う前に、返品を試しましょう。レシートがあればOKの場合が多いです。

一般的にアメリカ人はワガママです。買って、使って、気に入らなかった場合に、返品しようとしてきます。なので、多くのお店では、開封済みの商品も返品を受け付けてくれます。

手続きは先ほどと一緒です。カスタマーセンターに持って行ったら、レシートチェックして商品をスキャンして、お金を返してくれます。

パッケージが破損しているから全額は返せない、とかいうこともないようです。

レベル2.5:意図的に開封済みの商品を返品する

強者になってくると、「1日しか着ない服を、使用した翌日に返品する」「1回料理した調理器具を返品する」「ちょっとだけ工具が使いたいから、買って使い終わったら返品する」

という人たちもいるようです。お店はこれで大丈夫なんでしょうか?

あんまりモラルの高い行動とは思えませんので、真似はしないようにしてください。

レベル3:頂き物の返品(レシート付き)

クリスマスプレゼントや誕生日プレゼントで、他人にプレゼントを渡す場合、「もし気に入らなかったらお店に返品してね。お金はあなたにあげるから」という趣旨で、レシートを添えて渡すという文化がアメリカにはあります。

厳密にはレシートではなくて、値段が書かれていないけれど、どのお店で購入されたどういう品物かが書かれた”Return Slip(リターン・スリップ)”という特別なレシートです。

好みがわからないけれど、現金を渡すのは無粋なので、とりあえず何か買って、あとでそれをお店に持って行ってもらって、返金された分で好きなものを選んでほしい、という合理的な考え方のようです。

レベル4:頂き物の返品(レシート無し)

返品テクニックのおそらく最高峰です。

レベル3でご紹介したリターン・スリップ、必ずしもすべての贈り物についてくるわけではありません。リターン・スリップが無いけど、これは使わないからその分のお金が欲しい…と思ったら、高い確率でウォルマートに返品できます。この時、返品する商品はウォルマートで購入されていなくても返品できます。

大事なことなので繰り返します。「たとえウォルマートで購入されていなくても」返品できます。

返品の方法は、他の方法と同様にまずはカスタマーセンターに行きます。贈り物を返品したい旨を伝え、商品を渡します。係はバーコードをスキャンして、その商品がウォルマートで販売されているか調べます。販売されていない場合は返品できないのだけど、販売されている場合はウォルマートに返品できます。

たとえその商品がAmazonやTargetで購入されたものであろうと、返品できます。バーコードが同じならば同一商品というわけで、店頭に並べてしまえば一緒ですからね。

返金方法は少し厳密です。身分証明書(政府発行のもの。代表的なのは運転免許証)を提示する必要があります。

返金は25ドル未満の場合は現金で、25ドル以上の場合はウォルマートのギフトカードです。(クレジットカードみたいな形状で、1セント単位で金額指定できる)

なお、このやり方を悪用すると、盗品をウォルマートに持ち込めば錬金術みたいにお金が増やせることになってしまうので、1人につき1ヶ月の返金対応額の上限が決まっているようです。返金の時に提示した身分証明書の情報がウォルマート側に残っているわけです。

というわけで、間違えて買ったもの、使って気に入らなかったもの、人からのプレゼント(レシート付き)、そしてレシート無しの新品、すべてWalmartでは返品できてしまいますよ。