この記事では、アメリカで中古物件を探す我が家が、妻が国外出張で不在中に家の購入オファーを提出した際のエピソードをご紹介しています。
探し始めて1ヶ月弱、ついに理想的な物件に巡り合って、契約をしたいものの、妻は国外出張中です。我が家は夫婦共同名義で家を買うことにしていたので、オファー書類(家を買いたい人が売り手に提示する書類)も当然のように夫婦双方の署名が必要です。しかし、妻の帰国は1週間後。それを待っていたらおそらくこの家は売れてしまうことでしょう。
困っていたところ、エージェントが思いがけないアドバイスをしてくれました。
オファー書類提出は、立会い不要だった
エージェント曰く、「電子署名システムがあるので、奥さん出張中でもオファー書類には問題なく署名できる」とのこと。
なんでもDocuSign(ドキュサイン)というサービスを使って、契約書類に電子署名ができるんだそうです。もっというと前回のオファーのときもこれが使えたらしい。ただ、前回のオファーは初めてだったので、エージェントと同じ部屋で確認するやり方の方が安心でした。でも今回は、流れがわかっているし、オファーに必要な書類は原則すべて同じ(買う家の情報以外同じ)なので、このドキュサインは大歓迎です。
と、いうわけで前回と同じようにオファー手続き開始です。不動産エージェントが用意した書類の必要事項を埋めて、サインをして完成です。前回のオファー時は説明が早くてあまり理解できていなかった部分も、辞書を引きつつしっかり理解してからサインできます。
ドキュサインでのサインの方法は、サイト上でPDFになっている契約書類を確認後、署名ボタンをクリックしたら必要箇所に自動で署名を入れてPDF化してくれます。アメリカはサインにこだわる文化だけど、それ以外は合理的で、コピーでも原本扱いしてくれるし、電子署名も受け入れるんですね。
私がサインし終わったら、今度は妻の番です。妻は会食に行く途中だったようで、電車の中でスマホで書類確認・署名をしてくれました。
そんなわけで、あっけないほど簡単に、海外にいる妻と自宅にいる私の署名付きのオファーレターが完成しました。
悩ましかったのは設定価格です。エージェントがくれた情報によると、周りの同じような間取りの家は若干安い値段で売れているようです。また、坪単価(アメリカではスクエアフィートあたりの単価、$/sqft)を計算しても、周りの家よりも高めです。つまり今回の提示価格は若干高めということがわかりました。
エージェント曰く、現時点で他に買い手はいないとのことだったので、どうやら私と売り手の駆け引きになるようです。あまり安すぎる値段を提示すると、オファーが却下され、再び値段を少し上げて再オファーすることになるようです。再オファーになるとまた新しい人がオファーを出して、前回のような競争になるかもしれません。競争になると、帰るか買えないか、ゼロとイチの究極の結果が待っています。
…そんな葛藤のなか1時間くらい数字を睨めながら、もとの提示価格より3,000ドル(30万円)低い値段を弾き出しました。「このくらいだったら値引きしてくれるだろう」という金額(根拠なし)で、それでも周りの坪単価よりは若干高め、高すぎず低すぎず、よりは高めの価格です。金額含めた書類をエージェントに送りました。
そして翌日、エージェントから短いメールがきました。”You just bought your house!” (家が今買えましたよ!)
なんと、オファーが一発で通ったようです。(と、いうことはもっと低い値段をつけても良かったようですね。。。)
ホッとしたのも束の間です。オファーする際に契約締結日(家を実際に買う日付)も載せています。前回のオファーの際、ちょうど頭金がたまるであろう2ヶ月先の日付を書いていたので、今回もその日付でオファーを出していました。金額は見直したのに、契約日を見直していなかったのです。
オファーが通り、契約締結日が決まったということは、家を買うまでに必要な手続きを迅速に行わなければいけないことを意味します。
ローンを正式に組まなくては、引っ越しの段取りも決めねば、しかも妻はまだ帰ってこない…
まさかオファーが通るとは思っていなかったので、この先に待ち受けるたくさんのタスクに頭がクラクラしてきました。何よりクラクラしたのは、いったいどのくらいタスクがあるのかよくわかっていないことです。