家その14:ローンブローカーと2時間近く話したけど、金利は下がらなかった

ローンブローカー

この記事では、アメリカの住宅ローンブローカー(Mortgage Broker)から、個別で2時間近くローンに関する説明を聞いたことについて書いています。

住宅ローンをアメリカで借りるにあたり、お世話になった信頼できる不動産エージェントに紹介された、住宅ローンブローカーのハンスに会うことになりました。ただ、フィフスサード銀行が提示していたローン金利が3.5%くらいだったのに対し、ハンスが提示してきた利率は4%を超えていました。この違いは大きい。交渉しなければいけなさそうです。

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未だに理解できていないブローカーの立ち位置。銀行員なの?

ブローカーのハンスとは平日の17時に待ち合わせとなりました。彼が指定してきた場所は、First Bankという銀行のオフィス。あれ、このひと銀行員だったのか?結局この混乱は解けないままでした。

彼のアシスタントだという男性と私の3人で、閉店後の銀行のオフィスで話をすることになりました。アシスタントは自信たっぷりで、俺は色々知ってるぜ、的な態度の典型的アメリカ人でした(…とはいえ悪い人ではなかったです)。ハンスはUS Air Force Veteran(アメリカ空軍退役軍人…結構なエリート経歴)で、世界各地で暮らしたことがあるそうです。

私の情報(年収や頭金の用意、購入予定の住宅価格、ローン年数など)をパソコンに入力しながら金利や契約条件を説明し、適宜私の質問に答える、という進め方でした。

まず彼がこちらに伝えたのは「今聞いた条件だと、我々が提示できるローンの金利は4.1%だよ」という悲しいお知らせでした。銀行は3%台前半を提示していたので、全く話にならないくらい高い利率です。

そうはいっても、条件を変えれば安くなるのでは、と期待して、頭金を増やしたり、返済期間を思い切り短くしたり、ポイント(金利の先払いによる金利値引き)をつけたりしたのだけど、あまり安くなりません。

これは交渉するところなのか、と思ったのだけど、パソコンで随時更新されるFannie MaeとFreddie Mac(連邦住宅公庫と連邦住宅金融公庫)の情報を引き出し、自分たちの取り分(これは絶対譲れないとは彼らの言い分)を乗せて算出される割合しか提示できないようで、仕組み的に交渉の余地がなさそうです。

ただ、見せてもらった見積もりを見ると、ローンの手続き手数料が少なからず発生するようです。もしかするとこの手数料は銀行でローンを組むよりも安いのかもしれない、と考えました。(詳細な金額と名目を失念…合計1000ドルくらいだったはず)

この場は契約締結を諦め、手数料混みの金利の一番安くなる条件を教えてもらい(頭金を20%に設定し、15年返済で計算した)、後日銀行に同様の条件で見積もりを取って手数料など含めた総支払額を比べることにしました。

なお、彼らとの会話でわかったのは

・ローン金利は刻一刻と変動している

・ブローカーは複数の商品(代表がFannie MaeとFreddie Mac)のうち、最もお得な金融商品をデータベースから探して、提示する

・金融商品にはブローカーの上乗せが入るので、必然的に金利は少し高くなる

・利率は「今日契約した場合」「1ヶ月後に契約した場合」で若干変わってくる。将来の利率が不確実な分、近い未来の利率の方が低くて済む

・手数料を含めた返済額をもとにしたAPR(Annual Percentage Rate)ではなく、金利と一時金を分けて比較しているアンタは偉いと言われた

・ARM(固定変動金利)は、最初の5年だけ金利を固定し、6年目から金利が変動になる…将来金利が高くなるリスクが高い代わり、最初の金利が安く済むので、早期返済を目指すならおすすめ

・返済期間を縮めても、あまり金利は変わらない(30年か15年か、ぐらいしか選択肢がない)

などなど、時に彼らの稼ぎ方すら開示しながら親切に2時間近く説明してくれました。対面だったので、時には絵を描きながら質問できたので、電話ではここまで聞けなかったなと思いました。

結局、銀行と比べた結果、手数料は銀行の方がはるかに安く、おまけに金利も銀行の方が安かったので、ブローカーは使いませんでした。でも、銀行との手続きは想像以上に苦労したので、もしかするとブローカーをうまく使えば、値段に見合った時間の節約ができるのかもしれません。